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運鈍根

運鈍根(うんどんこん)はご存知だろうか?よく知られている言葉だが、医学部受験生には有効な概念なので、私はよくこれを話す。運鈍根とは、ものごとを成功させるには運と、鈍いくらいの辛抱強さと、根気強さとが必要だということを大願成就の3点セットとして表した言葉である。

運鈍根を意識する場合は、「鈍→根→運」の順番で考えると良いと思う。
まずは、鈍。鈍は「鈍くさい」に通じるが、格好つけずに、誤魔化さずという意識である。受験はスマートにやる必要はなく、むしろ、格好悪い位、馬鹿真面目に向き合う方が良い結果につながる場合が多い。
次に根。誤魔化さずに続けると、次第に疑問を感じたり、面倒になったり、馬鹿馬鹿しくなってきたりする。そこで根気が必要になってくる。根気=続けること。継続は力であることは、医学部受験のみならず、医学部入学後、国試、医師としての人生に大いに役に立つ。

そしてこれらの考えで、続けていることで、人智を超えた、運に恵まれる時が訪れるのである。私は平成元年から今まで900名程の教え子を医学部に見送ったが、彼らの運は、この条件に叶っていることが多かったことに驚いている。

運鈍根。案外使える概念なので、意識してみるのも良いかも知れない。

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受験センスへの向き合い方

物事をやる場合、“センス”という存在をあなたは感じたことはあるでしょう。子供の頃から、野球やサッカーが上手い子は、「あの子はセンスがいいね」と周りから言われます。クラシックバレエの世界では、バーにつかまって立った瞬間に、その子のセンスをプロは見抜くそうです。

何事にもセンスが存在し、それは目を背けては現実に向き合えないことになるかも知れません。これは受験勉強も同じです。時にそれは、要領と言われることもあります。

「どんなに努力しても、アイツには敵わない」と悔しい思いをしたことがある人は少なくないでしょう。この“センス”という厄介なシロモノに向かい合った時に、その対策は見えてきます。特に受験では難しいことではありません。

受験におけるセンスは、お金で買えるからです。そのために予備校があると思います。こう言ってしまうと身も蓋もないと言われてしまうかも知れませんが、これは現実てすし、誰もが合格するために予備校へ行くのだから、ある意味当たり前のことなんです。

予備校では、受験のセンスを学ぶことが可能ですが、それはコーチの能力次第で成果は変わります。闇雲に膨大な量の勉強をさせる物量作戦で臨む予備校は多いです。ところが、最小の努力で成果を得ようとするのは、勉強の組立をするコーチの能力、つまりセンスによります。

予備校はある意味、受験センスを買いに行く場所です。効率とコスパを考えれば、それだけのために行けるのが、理想ではないかと、私は思います。しかし、予備校からすれば、センスだけを売っているのでは儲かりません。だからたくさんの授業を組んで受講料を高くて、企業としての目的を追求することになるのです。

数百万円という高い受講料を払うのもよし、センスだけを身につけにその何分の一のコストでおさめるのもよいではありませんか!

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受験勉強は再現性が大事

どんなに勉強しても、入試本番では発揮できない、という人があります。この場合、学力が不足していることは間違いないのですが、どこをどうしたらよいか皆目検討がつかない、と嘆いて、当会に相談に来る人がいます。

この場合、問題の解法に再現性がないことが多いのです。もし、あなたがこれに当てはまるとしたら、勉強の際のノートの作り方を変えてみましょう。回答は丁寧に、図や説明も加え、誰にでも教えられるようなノート作りをしてみてください。

本当に理解するということは、問題解法の再現性が保たれていることがチェックポイントです。あなたは自分が塾や予備校講師になったつもりで、問題の解答解説を他人に話せれば、あなたの学力は盤石となるでしょう。

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ある友人医師のはなし

私の友人には医師が多いが、そのうちの一人の話をしよう。

医学部生になると、大学病院や系列の病院で、実際の医療現場を見学するのは必須となる。その中で、救急医療の実際に触れ、衝撃が走る学生も多い。卒業して国試を取り、医師になると救急医療に何年か着くことも一般的である。

その友人は、学生の時に見た救急医療の現場で見たものは、「ある程度覚悟していたこと」として受け入れられた。大学病院に救急で搬送される中には、凄まじい傷病であることなど日常茶飯事であり、そうしたことは先輩や教授たちから聞いていたからだ。例えば、焼身自殺をはかった人などは、全身が焼け爛れて搬送させれてくる。

ところが、実際に医師になり、救急医療を担当すると、学生の見学とは全く違ったのである。学生の時は視覚による救急医療の壮絶さを知っただけであるが、救急担当医は、それらの治療を請け負う。そして、ここが、重要だが、その患者の背景もである。例えば、目の前の患者が瀕死の重症であり、救命をする使命が医師としてあるのだが、その患者が大量殺人犯である、という場合もあるわけだ。

その友人は、救急医療のこうした重さに耐え切れず、医師を辞めてしまった。そして、医療と全く関係ない職業に就き、3年以上が過ぎたある日のこと、職場の同僚が勤務中に倒れた。友人は医師の経験を活かし同僚の救命措置をその場で行ったが、同僚は死んでしまった。後で家族の慟哭する姿を見て、自分の未熟さを呪ったそうである。「もし、あのまま医師を続けていたら、同僚を助けられたかもしれない」と切実に感じた友人は再び医学部に戻り、現在は医師として多忙な毎日を送っている。

友人はこう言っている。「救急医療とは、時に患者の毒を飲み込むことに強くなり、毒が効かなくなってくると思いたい。だから、私は医者を続けるしかない」

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慶應医学部と北里柴三郎博士

 常に日本医学会をリードして来た慶應義塾大学医学部設立と発展は、医学に生涯を捧げた多くの先達の偉業によるものであるが、北里柴三郎博士の存在はあまりにも大きい。

早稲田大学医学部が現在存在せずに、慶應義塾大学医学部が存在するのは、北里柴三郎博士と福沢諭吉先生の関係があったからと思う。何故なら同じ時期に早稲田にも慶應にも医学講習場が存在し、いずれも経営上の理由により閉鎖しているからである。

近代日本の発展は、西洋医学の国内への普及が必要条件と、大隈重信(早稲田大学の創設者)も福沢も考えていたが、当時、研究や教育に莫大な資金を必要とする上、教育者の確保も容易ではなく、現在ほど西洋医学の重要性も認識されていなかった時代である。大正時代の裁判記録を見ても、修験者が病気治しに活躍していたことがわかる。

世界を恐怖に陥れたペストの病原菌を発見したり、血清療法を発見し、当時死の病であった破傷風の血清療法などで海外で活躍していた北里柴三郎は、日本に戻っても活躍の場がなかった。「この男の働く場を用意しなければ日本の損失である」と、北里に研究所を用意して、経済的に支援したのか福沢である。

北里柴三郎は、福沢が亡くなった後、自ら願い出て、慶應義塾大学の初代医学部長を無給で受けたのである。経済的にも北里一門が全面支援し、福沢への報恩を果たした。

こんな人間ドラマがあったからこそ、慶應義塾大学には、日本医学界をリードする医学部がある。

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医学部編入試験の生命科学

医学部編入試験で、対策に苦労するのが生命科学だと思います。その対策のための予備校はありますが、まぁ、膨大な知識を覚え、膨大な勉強量をしなければならないと感じた人は少なくないはずです。そこで挫けて諦めるのも一つの選択ではあります。しかし、私に相談に来る編入受験生には「受験校を絞ってください」とアドバイスしています。

一般入試と違い、国立大学医学部編入試験は、複数受験ができるため、片っ端から受ける方が多いですが、その場合、「暗闇で落とし物を探すようなもの」です。上手く見つけるには隅から隅まで手探りで落とし物を探さなければなりません。

ところが、受験校を絞るなら、様相が全く変わってきます。何故なら、大学によって、「編入試験で入学させたい学生像」があるからです。これを知っていれば、難関とも感じる生命科学は、絞った勉強、言い換えれば要領の良い勉強が存在するからです。

全ての医学部において、学力・知識的に在学生トップクラスの編入生は求めているわけではありません。

敵を知り己を知れば百戦殆うからず

 何年も無駄な時間で人生をすり減らす前に、ご相談ください!

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東邦大学医学部総合入試は何を見るか?

東邦大学医学部総合入試、同窓生子女入試についてのご質問をよくいただきます。総合入試は定員5名、同窓生子女入試は定員5名ですが、「医学部で学ぶための基礎学力は、入試の学力試験からも推察できるが、それ以外の内容が…」という主旨のご質問が多いです。

東邦大学医学部のアドミッション・ポリシーでは、次のような項目を掲げています。すなわち、
①実践能力
②患者対応能力
③科学的探究心
④社会・地域への貢献
⑤国際性
になります。
①の実践能力は、自分で物事を考える思考力、他人の意見にも耳を貸す柔軟性、そして医学を学ぶ者に必須の謙虚さを試験官に表現すると良いでしょう。
②の患者対応能力は、相手の話しを聞き、相手の立場になって考えられる、つまりは他人の痛みがわかるということです。これに加えて、普通に相手と会話ができる人物か?ということを見てくるので、それを試験官に表現すると良いでしょう。
③の科学的探究心は、データを読み解く力を見てきます。データを読み解くとは、好みや感情ではなく、客観的、論理的にデータをの分析できる力が必要です。
④の社会・地域への貢献は、世の中への関心が平均レベルにはあること、地域医療について理解をしておくと良いでしょう。
⑤の国際性は、英語系検定試験での高いスコアならば説得力がありますが、それ以上に国際的な視野を持つことも大事です。

東邦大学医学部総合入試、同窓生子女入試は、一般入試とは違うあなたの一面を評価してくれる貴重な機会ですから、挑戦をかんがえるならば、是非頑張ってください!

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伝説の数学教本「大学への数学」

「大学への数学」というと、現在は東京出版の「月刊 大学への数学」を意味するし、イメージするだろう。しかし、10年前に廃業した研文書院という出版社があって、「大学への数学」という伝説的な参考書を出していた。

東大、京大をはじめ、難関大学の入試数学を突破するにはこの「大学への数学」が有効だった。別名「黒大数」とも呼ばれるこの本は、難関大受験生たちの数学バイブルともなっていた。実際私は、平成元年から大手予備校の医学部受験本科で講師をやっていた時代に、この黒大数を教材にして、東大理Ⅲ、慶應医学部に教え子を随分送り出している。

黒大数の著者は数学者で著名な藤田宏東大名誉教授であるが、この素晴らしい数学教本を使って、当時の旺文社模試で偏差値50にも満たなくて現役で日大文理学部不合格の生徒を一浪で東大理Ⅲに合格させている。使い方は問題を丁寧に解かせ、理解できない問題は解答を丁寧に写させる。それも何度もやる。そうすると数学の感覚がついてくるのだ。

今は、こんな歯応えのある参考書はなくなった。その代わり、中学生でも理解できるような微分積分の参考書などが巷に溢れる時代である。

医学部受験は、Σ会にお気軽にご相談ください!!

 

 

医学部編入試験の合格を決めるのは何か?

 医学部編入試験の合格体験記を読むと、本当のことを語っているのかな? と思うことが多い。

医学部編入試験で、生命科学を3年も4年も掛けて隅々までやっている受験生は気の毒だが、それをさせている一因は合格体験記と、医学部編入試験向け教材、講座だと思う。

医学部編入試験、特に国立大の場合は得点順に合格のしているとは限らない。それぞれの大学の内情や制度の趣旨に近い受験者が合格している。

医学部編入試験合格のためのファクターXが何かを知ることこそが、合格への必要条件であることは案外知られていない。

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上智大学医学部が誕生する日

上智大学は、神学部をはじめとする文系学部を主体とする大学として、スタートした大学です。理工学部も1962年開設と後発でした。東京理科大学を卒業された秋山仁先生が、上智大学の理工学大学院の一期生として入学されたことで知られています。

早慶上理と言われる東京に本部を置く私大トップグループの中では、唯一、医学部と距離を置いて来たのが上智大学です。
慶應は言うまでもなく日本トップとも言える医学部を擁しており、創立者の福沢諭吉先生が近代日本の発展を医学の発展と考えられていたことの現れです。
早稲田大学も東京女子医大との連携はよく知られるところ。元々はキャンパス内に東京同仁医薬学校という、本来なら早稲田大学医学部の前身となる医学校があったのですが、経営難で閉校した歴史があります。
東京理科大学は、日本医科大学との連携
がよく知られていますが、理科大と同じ新宿にある東京医科大学は、元々、東京物理学校(東京理科大の前身)の校舎内に設立された、東京医学講習所が始まりです。
こうした中で、上智大学は、医学部とは無縁に独自の路線で、高いブランドを築いて来た大学なのです。

ところが、2011年、カトリック系の聖母大学の母体である学校法人聖母学園を吸収合併し、上智大学は総合人間科学部に看護学科を開設しました。そして、聖母大学が閉校となる2014年に、聖マリアンナ医科大学と大学間交流の包括協定を締結し、現在まで活発な人的交流が行われています。

東北震災の後、東北薬科大学が医学部を新設し、東北医科薬科大学に改称しました。国際医療福祉大学も安倍政権下の国家戦略特区制度の中で、成田市に医学部を新設したことはご承知かと思いますが、医学部新設というのは大変難しいと言われています。これはよく言われている医師会が賛成しないとか、私立医科大学協会や全国医学部長病院長会議が納得しないなどという推測的な話ではなく、現実的に、医学部生を教育できる力量を持った医師の先生を確保できないことが最大の理由です。

都心の医学部は飽和状態と言われている現在、地方都市でなければ、医学部附属病院誘致も難しいこともあります。神奈川県川崎市にある聖マリアンナ医科大学は、こうした時代背景の中、上智大学医学部を誕生させるためには最良のパートナーと思います。

少子高齢化による学生数の減少や、コロナ禍が経済への影響を及ぼして来ている現在、大学再編は国立私立を問わず、それどころか国立私立の垣根を越えて活発になってくるでしょう。

私は、上智大学医学部がそう遠くない日に誕生すると思っています。

医学部受験の最良のパートナー
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